Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

分かりやすい&いつの間にか別のことを考えさせないプレゼンを目指すための2冊

研究稼業において避けて通れないのがプレゼンです。 私がプレゼン作成の際に特に参考にしている2冊を紹介しようと思います。 まずはド定番として、私が尊敬してやまない酒井先生のこれから学会発表する若者のために -ポスターと口頭のプレゼン技術-作者: 酒…

実践としての統計学/佐伯胖、松原望

いわゆるcook-book的な統計の本とは対極的な、統計学の背景に存在する考え方(How toではなくWhatとWhy)について書かれた本でした。こういう本はあまり類書がないので勉強になりました。触れられている内容は ネイマンとフィッシャーの立場の違い 主成分分…

大奥/よしながふみ

たまには進化ネタで。といってもマンガの話ですが。一般に多くの種では「オスがメスよりも派手」なことが知られています。例えばクジャクなどを思い浮かべてもらえば分かりますが、あの豪奢な羽根をもっているのはオスの方で、メスの方は案外地味だったりし…

確率的発想法/小島寛之

この本はとんでもなく面白かったです。こんなに刺激的な本はなかなかないと思います。最近私が読んだ本の中では間違いなくベストのうちに入ると思いました。惜しむらくは書名の印象と実際の内容に乖離があることです。この書名のせいで「この本の面白さが本…

An Introduction to probability and inductive logic/ Ian Hacking

「そもそも確率って何?」という問題意識があり読んでみました。結論から言うととても面白かったです。勉強にもなりましたし、読み物としても面白いです。ギリースの「確率の哲学理論」よりもこちらの方がオススメですね*1 *2。で、けっきょく確率解釈の大ま…

リスク意思決定論/谷口武俊

大阪大学の「環境リスク管理のための人材育成」プログラム編による「環境リスクマネジメントシリーズ」の一巻となる「リスク意思決定論」を読みました。全体的に「リスクと意思決定」に関する話題がコンパクトにまとまっている感じで、手っ取り早く全体像を…

ほんとうの「食の安全を考える」/畝山智香子

食品安全情報blogで有名な畝山智香子さんの食品中化学物質のリスク評価の入門書を読みました。私も分野は違えどリスク評価に関わる研究者として一通りの内容は知っているつもりでしたが、リスク評価に特有な様々な概念(ADIとかARfDとかNOAELとか…)について…