以前にも読んだこの本を、自分の新しいエントリーを書くために再読してみました。
- 作者: 谷口武俊,「環境リスク管理のための人材養成」プログラム
- 出版社/メーカー: 大阪大学出版会
- 発売日: 2008/10/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そしたらいま読むと余りにもビビッドなので「付箋がいくらあっても足りないよ!」という感じでした。新しいエントリーを書くために再読していたのですが、「ああ自分が新しいエントリーを書くよりもこの本を勧めたほうがいいじゃんか。。。」と思ったので再度オススメしたいと思います。
ちなみに著者の谷口さんは東大の原子力工学科出身で電力中央研究所社会経済研究所の所長(本書出版の2008年時*1)の方なんですね。その辺りの距離感もリアルです。
本の序章の部分の1パラグラフを引用しておきます:
三陸沖の津波を例にとると、津波は最高で海面から30メートルぐらい上がってきます.過去の経験に学ぶのであれば、それより低いところに家を立ててはならないという教訓が得られます.実際、町のあちこちに建てられている碑にもそう書いてあります。しかし、実際にはその教訓は守られていません.すなわち、50年に一度、100年に一度の災害を考えて毎日の暮らしをすることは、生身の人間には非常に難しいことなのです.低い土地に住むとことは、津波がやってきたときに生命を危険にさらしますが、いざというときには高台に逃げられるようにゲートを置く、あるいは日常の生活上不便なので、非常時だけでてくるような構造物を設置する、非常に高いコストをかけて高い堤防をつくるなどさまざまな方策があります。すなわち、50年に一度、100年に一度のリスクへの対応として、リスクをゼロにするようなリスク回避行動をとって安寧に暮らす方法もあれば、リスク低減行動をとって被害を減災し、リスクのある部分とは共存する方法もあります.また、100年に一度の津波が来たらあきらめるという、リスク保有行動をとる場合もあるのです。しかし、どれが正解ということはいえません。
全編、いま読むとすごく響かざるをえないっす。
いま読むのをオススメいたします!