粕谷さんのページに、二項分布のベイズ推定では「事前分布が一様分布なのに尤度分布と事後分布がずれる」ことについての記事がありました。
それに関連した内容の記述が「入門リスク分析」(228p)にあったのでメモしておきます。
ベータ分布Beta(1,1)は一様分布U(0,1)と厳密に一致する。このため、pの事前分布として一様事前分布Uniform(0,1)を採用すれば、事後分布はBeta(s+1,n-s+1)になる。これは、本書でも繰り返し用いる極めて有益な結果である。比較のために示せば、二項分布に関するジェフェリーズの事前分布はBeta(1/2,1/2)である。Haldane (1948)では、事前分布としてベータ分布Beta(0,0)を与えることを検討している。これについては、数学的な意味付けが明確に与えられていないため、それ自体では意味をなさないが、これを用いると、事後分布として、平均がs/n(二項分布の不偏推定量)となるベータ分布Beta(s,n-s)が導かれる。
- 作者: デビッドヴォース,David Vose,長谷川専,堤盛人
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2003/08
- メディア: 単行本
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