Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

宣伝と御礼と余談、および「わたしたちのインターネッツ・ドリーム」について

ご無沙汰しており大変申し訳ありません。林岳彦です。マイナンバーカードのことを「ナンバカ」って略すアラフィフです。

今回は、わたくしの書籍出版のご報告です。
来る2/28に、岩波書店から『はじめての統計的因果推論』という本を出版することになりました。

お気軽に読める本を書きたいと思って書いたので、お気軽に読んでいただければ本望です。みなさまどうぞよろしくお願いいたします。

この本を執筆できたのはひとえにブクマカーの皆様の後押しのおかげです。

私が因果推論について初めて本格的に書いたのは13年前の以下の記事で、この記事にけっこうブクマがついたことが当時の私にとってかなりの励みになりました。

takehiko-i-hayashi.hatenablog.com

さらに因果推論について書いた11年前の以下の記事はかなりバズり、多数の方々にブクマで褒めてもらったことにすっかり味をしめ、その流れに流されるまま今まで勉強と研究を重ねて遂に上掲書を世に出すことに繋がりました。

takehiko-i-hayashi.hatenablog.com

つまり、上掲書の出版の経緯の元をたどると、大きなきっかけは上記のエントリーに対して多くの見知らぬブクマカーが私の背中を押してくれたことでした。


思い返せば、当時のはてなダイアリーで同時期に書いていた優れた書き手の方々、とりわけwhat_a_dudeさんや蝉コロンさんといった方々からは、文章の書き手としてとても刺激を受けていました。また、往年の名執筆者であったコンビニ店長からは文章テクニックの多くを学ばせていただきました。私の文書力については、当時のはてなダイアリーの環境の中で研鑽されたところが大だと思います。上掲書の出版にあたり、そうしたはてな村の(元)住民の方々にも重ねて感謝申し上げます。(みなさま、今でもどこかで文章を書いておられますでしょうか)


今さらではありますが、はてなブクマカー諸賢には「まだ何者でもない人/もの/トピック」の背中によくわからん推進力を与えてくれるという魔法の力があるんだぜ!ということをここで感謝とともに声を大にしてお伝えしたいところです。浪越徳治郎先生の言うとおり、まさに「ブクマの心は母心、推せば生命の泉湧く」であります。


ブクマカーのみんな、まじで感謝してるよ!ありがとね!

余談

ここからは余談です。
私がまだ研究者として駆け出しだった20年ほど前の話ですが、そのほとばしる才能の煌めきに本当に好きになった、同じく当時駆け出しの漫画家の方がいました。「この才能を埋もれさせるわけにはいかない!!」と勝手に使命感に駆られた私は、単行本が出たら真っ先にAmazonレビューを書いて応援したり、mixiでコミュニティの管理人をしたり、時にはファンメールを出したりするなど今でいうところの「推し活」をしていました。それからかれこれ20年、その漫画家の方はやや紆余曲折はありつつも順調にキャリアを重ね、今やすっかり「時代を代表する漫画家」のお一人になられました(良かった)。その漫画家の方が順調にキャリアを重ねる一方で、私のこの20年は公私ともにかなりどん底の時期もありましたが、なんのかんので辛くもここまでなんとか生き延びてきました。このたび8年がかりで執筆した本書が遂に世に出ることになり、もうすっかり売れっ子となったその漫画家の方にダメ元で表紙絵をオファーしてみました。「あのとき推していた背中」が、いま振り向いてくれるなんて。そんな夢みたいな話がね、あるわけないじゃないですか、普通。

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