Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

内生性・交絡 revisited:説明変数と残差と誤差の相関をのんびり眺めるの巻

こんにちは。林岳彦です。ggplot2を使いこなすシャレオツな若い人を見ると自分の老いを感じる今日このごろです。 さて。 今回は、「説明変数と誤差項に相関がある」とはどういうことか、について見ていきたいと思います。 経済学系の統計解析の本を読んでい…

統数研での講演『バックドア基準入門』をアプします

おひさしぶりです。林岳彦です。夜、自宅で少しだけお酒を飲みたいときがありますよね。少しだけリラックスしたいけど酔っ払いたくはないみたいなときです。そんなとき、アサヒスーパードライの小さな135ml缶はたいへんありがたい存在です。しかし、この135m…

キクマルがタナキクマルに進化したような改訂版:『増補改訂版:伝わるデザインの基本』レビュー

こんにちは。林岳彦です。大昔にまだいたいけなカープ少年だったとき、よく分からぬまま村上龍の『走れ!タカハシ』を読んでしまいました。そしてそのオトナ(エロ)の世界になんだかショックを受けました。そんな大昔のことなども思い出しつつ、”龍”なんだ…

岩波DS3の林・黒木原稿の補遺記事(予告)

岩波データサイエンスvol3に統計的因果推論に関する原稿を寄稿しました(林岳彦・黒木学『相関と因果と丸と矢印のはなし:はじめてのバックドア基準』)。構造的因果グラフという難敵を相手に、「読者にとっての分かりやすさ」と「学問的正確さ」を極限まで…

確率概念について説明する(第3-2-2回):「あらゆる奇跡はありふれる」問題

こんにちは。林岳彦です。いくらあなたが槇原敬之の大ファンで、どんなときもどんなときも僕は僕らしくありたいと思っていても、浮気がばれたときに「もう恋なんてしないなんて〜 いわないよぜったい〜」と歌ったら殴られると思うからそれだけはやめた方がよ…

8/6因果フェスのプレビュー:「系列Aと系列Bの関係は?」という問いに対する4つの素敵な解法について

こんにちは。林岳彦です。エ・レ・ファ・ン・ト・カ・シ・マ・シ(←滝川クリステル風に声に出して読みたい日本語)。 さて。今回は8月6日に迫った日本生態学会関東地区会シンポジウム(a.k.a 因果フェス)についてのプレビューを書いてみたいと思います。 今…

確率概念について説明する(第3-2-1回):「可能性」と「確率」のあいだ/ 到達可能性の線引き問題

やっと会えたね(本能寺で)。林岳彦です。さいきんルンバを買いました。ルンバが動いているのを眺めるときに、「実はどこかで山本昌がこのルンバをラジコンで操作している」のだと想像しながらその動きを眺めるととても贅沢な気分になれます。おすすめのラ…

【因果フェス2015】8月6日@駒場:生態学会関東地区会シンポを企画させていただきました

こんにちは。林岳彦です。I’m not ABブラザーズ。 さて。今年の8月6日(木)に日本生態学会関東地区会のシンポジウムを企画させていただくことになりました。ご講演者、コメンテーター、関東地区会幹事等々のご関係者のみなさま方に深くお礼を申し上げます。…

僕は論文が書けない:苦境脱出へ向けての2+1冊

こんにちは。林岳彦です。最近は佐野元春ばかり聴いています*1。将来的にはあんな髪型になりたい。 さて。「研究者なれども研究しない!」という斬新な決めフレーズでおなじみの雑用戦隊ヒーローシリーズがありますが、かくいう私も何やかんやの雑用に埋もれ…

業務連絡:当面のあいだ更新止まります

こんにちは。林岳彦です。プロレタリア白菜。すっかりdutyの多重債務状態になりにっちもさっちもアームストロングなので、本ブログおよびtwitterとブクマも当面のあいだ(少なくとも半年以上は)更新止まります。 敬愛する某コロンさんよりは早く帰ってきた…

夏の因果推論祭りのフォローアップをこんなに遅れて書くつもりじゃなかった

こんにちは。フリッパーズ・ギターの性格が悪い方こと林岳彦です。さて。私も大人でありますので本業に追われることもままあります。そして追われているうちにすっかりご無沙汰してしまいました。はてはて。去る7/11に行われた因果推論祭りについてもブログ…

識別/生成モデルの観点から見たRubin/Pearlの統計的因果推論(*既に一定の予備知識のある方向け)

こんにちは。林岳彦です。ついに夏の統計的因果推論祭りが今週の木曜(7/10)に迫ってきました!ちゃんと予定どおり開催されますので、参加申し込みをされたみなさま、台風に負けずにご来場いただければ幸いでございます。さてさて。 この祭りに備えてさいき…

【速報告知】渾身のガチ企画:『夏の統計的因果推論祭り』を開催します!(7月10日@東大本郷)*5/23登録締切りました*

(2014/5/23追記)*参加希望者が予定人数に達したため登録を締切りました!* (2014/5/23追記)*また、参加人数が予想を超えたため「14号教室」→「15号教室」に変わりました*こんにちは。林岳彦です。赤い彗星の測度は3倍です。さて。ここ数年にわたり半…

確率概念について説明する(第3-1回):可能な世界の全体を1とする — コルモゴロフによる確率の定理(前編)

こんにちは。林岳彦です。先日、小学生の息子とセブンイレブンに行きました。そこでふと、「あの外壁、あれ本物のレンガじゃなくてただの印刷だから」と息子に教えたところ、それが彼にとっては思いもよらぬことだったようで、実はすべすべとしている外壁に…

確率概念について説明する(第2回):そもそも「可能である」とはどういうことか? — 可能世界論

どもっす。林岳彦です。さいきん軽い気持ちで某国際誌の総説論文の査読を引き受けたのですが、「どんな論文だろ?」と思いつつ査読対象の原稿をいざダウンロードしてみたら本文100頁アンド全体300頁もある超長尺の総説であることに気づき、「殺す気か!」「…

忘れるということがピンとこないことについて

どもです。林岳彦です。前回の記事は深夜に書いていたのですが、投稿したときにちょうど日付けが変わって3月11日になっていて、何か書くべきかもと思ったのですがうまく考えがまとまらず、そのままになっていました。そんな折、仙台在住の友人のブログを読ん…

確率概念について説明する(第1回):説明全体の構成 --- 確率概念の「規格」と「意味」

どもです。林岳彦です。白泉社文庫の大島弓子作品から一冊選ぶなら『つるばらつるばら』だと思います*1。 さて。今回からは長期のシリーズとして、「確率概念とは何か」についてガッツリと説明していきたいと思います。今回は、その第一回目として、「本シリ…

発表資料アプ:世界における疾病および死亡リスク要因の定量化(GBD Study 2010 in Lancetの論文紹介)

こんにちは。林岳彦@はてなジェシ(フロンターレの生命線)です。さて。先日、某勉強会で論文(Lim et al. 2012 in Lancet)の紹介をしたのでついでに発表スライドをアプしてみました。論文の内容は、簡単に言うと「世界の健康リスク要因のランキングを作っ…

なぜリスク分析のプロは仮説検定を使わないのか(ややマニア向け)

お久しぶりです。林岳彦です。もうすぐ『愛なき世界』の日、いわゆる(マイブラッディ)バレンタインデーですね。何かと雑音が多いこの世界ですが、いつでも自分の足元を見つめて行きましょう。 さて。 今回は、以下の: そもそもビジネスの現場ではどういう…

なぜ無作為化なのか:『因果推論の根本問題』とその解法

こんにちは。林岳彦です。はてなジョシュ(バーネット)です。今回から「はてなブログ」へ引っ越しました。今後とも引きつづきよろしくお願いします。 さて。 前回までの記事では、実験データではない調査観察データを用いた因果効果の推定における注意すべ…

(後編)今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースについてまとめてみた:中間変量の影響

どもっす。林岳彦です。先日、某所で統計解析の講師役をしました。その際に解析環境の準備の手間を省こうと思って、Amazon EC2上にRStudioのサーバー版を立てて、聴講者にそこに繋いでもらって実習をしようとしたのですが、いざ皆が繋いだらサーバーがクラッ…

(中編)今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースについてまとめてみた:交絡・合流点の影響

どもです。林岳彦&オメガトライブです。きみは1005%(消費税込) さて。今回は、前回の記事:今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースをまとめてみた(前編:検定力が低い) - Take a Risk: 林岳彦の研究メモのつづきの”中編”になります。…

今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースをまとめてみた(前編:検定力が低い)

どもお久しぶりです。林岳彦です。ローソンなどで売ってるいなばのタイカレーはそうめんのつけ汁として使ってもマジうまいのでオススメです。 さて。 今回は前々回の記事:因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプ…

"相関"の話&そのついでに"21世紀の相関(MIC)"の話(ややマニア向け)

どもです。林岳彦です。息子の3DSにバーチャルコンソールの「ソロモンの鍵」を密かに入れました(まだ3面)。 さて。前回の記事:因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプレート付き) - Take a Risk:林岳彦の研…

因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプレート付き)

どもっす。林岳彦です。ファミコンソフトの中で一番好きなのは『ソロモンの鍵』です*1。 さて。今回は、因果関係と相関関係について書いていきたいと思います。「因果関係と相関関係は違う」というのはみなさまご存知かと思われますが、そこをまともに論じて…

宣伝(文学フリマ):自主制作文芸誌『線と情事』に詩を書かせていただきました

あまりここにはわたくし事を書かないようにしているのですが、今日は諸事情により宣伝させていただきます。このたび、何の因果か、甘茶茂@NECOfanさんが責任編集を務める文芸誌『線と情事』へと詩(12ページ、7篇)を寄稿させていただきました。*文芸誌『…

発表資料アプ:「比例ハザードモデルはとってもtricky!」

どもです。林岳彦です。ももカッパよりもアゲルちゃんのほうがいいと思います。 さて。最近、某カジュアル系勉強会で、疫学研究などで頻繁に用いられる「比例ハザードモデル」をテーマに発表をしたのでその資料を晒してみます(資料内で用いているRスクリプ…

オーマイガー:iPhone5を落としてガラスが割れたあとの修理段取りのメモ

こんにちは。林岳彦です。もし「ゆらゆら定食」ってのがあったらそれは食べにくいと思います(揺れてるから)。 さて。やっちまいました。自宅内でズボンのポケットから取り出そうとしたときに、ポロッと。そしてガチャっと。いやはや、もうこんなかんじです…

(目次の予告)統計的因果推論ノート:「正しいセカイの切り取り方」

どもです。林岳彦です。道に倒れて誰かの名を呼び続けたことはありません。さて。 自分の頭の中でそろそろ「統計的因果推論に関するエトセトラ」が繋がってきた感がある*1ので、一度棚卸のために(クオリティは未だ低いものになるかもしれませんが)エトセト…

何人いれば適切なの?:学術知と政策とテクノクラート

どもです。林岳彦です。いまだに壇蜜と檀ふみの区別がつきません。さて。 1月はずっとPM2.5の基準値に関するUS EPA(米国環境保護庁)の文書を読んでいました。で、それらの膨大な文書群(総計約5000ページ!)をチェックしていく中で、「学術知と政策を繋ぐ…