「データマイニング入門/豊田秀樹」からベイジアンネットワークに関する記述を幾つかメモしておきます*1。
ベイジアンネットワークの目的について(P210):
ベイジアンネットワークの目的の1つは、事象間の影響関係をグラフィカルなモデルとしてわかりやすく記述することにある。このとき作成されたモデルをベイジアンネットワークモデルという。ベイジアンネットワークモデルはよく、「不確実な事象を扱うための計算モデルである」と表現される。これは「不確実な事象」を一般的な統計学における確率変数としてとり扱い、「事象間の影響関数」はその確率変数どうしの確率的な依存関係として表現するからである。
ベイジアンネットワークの特徴について(P221):
今まで挙げたすべての要求を満たして、すなわち、(1)その他の要因をすべて取り除いた上で*2、(2)両変数の影響関係を方向付きで*3、(3)想定する状況に関連するすべての変数に関して、(4)得られたデータから探索的に、モデルを構築することができる分析手法*4、これがベイジアンネットワークなのである。ベイジアンネットワークでは、さらに(5)連続変数と離散変数の両方を組み込むことができるのである。
ベイジアンネットワークの2つのステップについて(P213):
ベイジアンネットワークは「統計的学習」と「確率推論」の2つのステップで構成されている。統計的学習とはその名のとおり多変量データからパラメータを推定的に推定していき、ベイジアンネットワークモデルを学習・構築、さらにはモデルを更新していく過程をいう。それに対して確率推論とは、構築したベイジアンネットワークモデルを利用し、一部の情報(観測された変数など)から残りの変数に関する確率値や確率分布を予測するシミュレーションのステップのことである。
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