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Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

学会という名のフェスへ行け!

今回は「学会とは何か」「なぜ学会に行くのか」について「学部生〜M1くらいのエア後輩」へ向けて手短に説明してみたいと思います。なお、本稿では「学会」という言葉を「学会組織」ではなく「年次大会」の意味で使っていきます。

学会とは何か

結論から言うと、学会とはフェスです。

業界のレジェンドクラスからペーペーの新人まで、同じ学問/音楽を愛する人々が一年にいちど集まってイェーイと盛り上がるのが学会/フェスです。基本的には楽しいものです。盛り上がって行きましょう。

学会発表とはライブである

学会では学会発表が行われます。学会発表というのは、ライブです

大きな学会ではライブ会場が複数あり、収容人数の多いメイン会場や収容人数の少ないサテライト会場などがあります。各ライブ会場で15〜20分くらいで入れ替わり立ち代わりいろんな演者がステージに登場しライブアクトを繰り広げます*1

ときには、自分の出演順が有名な演者の後で「オーディエンスが多くてラッキー」と思っていたら、自分のライブが始まる直前にオーディエンスがぞろぞろと別の会場に移動してしまうこともあります。落ち込みますが、あまり気にしないようにしましょう。まずは目の前のオーディエンスを大切にすることを心がけましょう。

良いライブ/発表をする秘訣ですか?まずは練習です

論文とは音源である

ちなみに学会発表がライブなら論文は音源(CDとか)のようなものです。

研究者の評価は概して論文/音源で決まります。若い頃なら単発論文(シングル)のビッグヒット一発で高評価を得ることができますが、中堅以降は複数論文(アルバム)単位でのコンセプトと完成度が問われるようになってきます。

研究者の評価は論文/音源が基本ですが、就職面接(オーディション)などの際にライブアクトの良し悪しが決め手となることもありますので、ライブアクトの実力も軽視せずに磨いておきましょう。

なぜ学会/フェスに行くのか(1):ライブでしか伝えられない/受け取れない「何か」がある

なぜ私たちは学会/フェスに行くのでしょうか?

それはやっぱり、ライブでしか伝えられない/受け取れない「何か」があるからです。
端的に言うと、それは「やる気のヴァイヴ(good vibrations)」と呼ばれるものです。辺境の研究室で孤独に研究を続けていると、いつのまにか日々の疲れと鬱屈で気持ちがどうしようもなくすり減ってくるものです。そんなときは、学会/フェスに行って思う存分「やる気チャージ」を行いましょう。

なぜ学会/フェスに行くのか(2):自分の専門外・最先端の情報を効率よく得られる

学会/フェスは、ふだん自分が触れる機会がない自分の専門外あるいは最先端の情報を得るための良いチャンスでもあります。

学会/フェスに行ったらいろんなところに頭を突っ込んで、いろんなスタイルや方法論を知りましょう。あなたの研究のブレイクスルーをもたらすヒントが見つかるかもしれません。
また、最先端の知識を得ようと思うのならば、海外の学会/フェスへ参加してみるのがオススメです。やっぱり欧米の学会/フェスのレベルは段違いなものです。

なぜ学会/フェスに行くのか(3):さまざまなコネクションを作ろう

もしかしたら学会/フェスの一番の目的はさまざまな人とコネクションを作ることかもしれません。

学会/フェスで出会う同世代の同好の士は、きっとあなたのこれからの人生における非常に大きな財産となるでしょう。どこを目指し何をするにせよ、仲間が居るというのは非常に心強いものです。

また、学会/フェスで出会う年上の方々とコネクションを作ることも、これからあなたがキャリアを切り開いていく上で非常に重要です。もしシンポジウムなどでライブアクトをする機会があれば、対バンの方々を喰うような魂のこもったパフォーマンスを見せましょう。そうやって年上の方々にアピールを重ねていくことが、将来のアカポス/メジャーデビューに繋がるのです。

あと、学会/フェスに行っても同じ研究室の仲の良い人とばかりつるむのはやめましょう。それでは何のために学会/フェスに来ているのか分かりません。

フェスで会いましょう!

大学院を卒業すると、修士・博士過程時代に苦楽を共にした研究室の仲間や知り合いは皆それぞれの路を進みはじめ、だんだんとしかし確実に散り散りになっていきます。全ては散逸していきます。寂しい限りです。

しかしながら、たとえ仲間と散り散りばらばらになっても、私たちは同じ学問を愛している限りフェスでまた会えるのです。学問への愛は熱力学の第二法則をも超えるのです。

残念ながら、今年の春フェスには私は行くことができませんが*2、また夏フェス秋フェスなどには行くかもしれません。リアルでご無沙汰している方々も、またフェスでお会いした際には何卒よろしくお願いいたします。


みなさま、フェスで会いましょう!

関連文献(オススメ)

これから学会発表する若者のために -ポスターと口頭のプレゼン技術-

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*1:通常のフェスとは異なり、トリの方が偉いというわけではありません/少なくとも生態学系では

*2:結婚して子供とかできるとなかなかフェスへ行きづらくなりますよね・・・