Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

Jaworska et al. (2010): 将来的にREACHはBayesian-basedに移行するかも

「リスク評価は実質上「推論の連鎖」から構成されているため、その全ては原理的にはベイジアンネットワークという形に帰着できるのではないか」ということを5月の産総研勉強会での発表で話そうと思っていたのですが、Jaworska/Gabbert/Aldenbergがちょうど同じ論旨で総説を出してしまったのでメモしておきます。


Jaworska et al. (2010) Towards optimization of chemical testing under REACH: A Bayesian network approach to Integrated Testing Strategies.


いよいよREACH*1においても将来的なBayesian-based frameworkへの移行が現実味を帯びてきたという感じでしょうか。リスク評価とベイズは余りにも親和性が高いので、少なくともBayesian-basedな枠組みへと移行することに科学的な面での障害は何もないと思われます*2

*1:EUにおける化審法みたいなもの。http://ja.wikipedia.org/wiki/REACH

*2:問題は現在のデファクトスタンダードである伝統的統計学との"シェア争い"だけ