Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

【開催告知】公開研究集会『研究者/研究所として“EBPM”にどう関わるとよいのか?』12/10火@国立環境研

「くだもの四天王」といえば「桃・梨・メロン・ぶどう」ですよね! こんにちは。林岳彦です。

来る12/10に、国立環境研究所の環境経済評価連携研究グループによる企画として、以下の公開研究会を開催します。所内外を問わず、参加費・事前登録等なしでどなたでも参加できますので、ご興味のある方の積極的なご参加をお待ちしております!

================================
公開研究集会『研究者/研究所として“EBPM”にどう関わるとよいのか?』
企画者:横尾英史(一橋大学&国立環境研究所)、林岳彦(国立環境研究所)


趣旨説明:
現在、エビデンスにもとづく政策形成を促すことを目指した「Evidence-Based Policy Making (EBPM)」の潮流が英米を中心として世界的に広まってきています。また、日本でも行政改革推進本部を中心にEBPMの行政への導入・推進の取り組みが始まっています。

EBPMは、学術的知見を政策へ橋渡しするための“回路”として、学術界にとっても非常に重要な潮流といえます。しかしながら、研究者/研究所等として、「実際問題としてEBPMとどう絡んでいったらよいのか」は、必ずしも自明な話ではありません。その理由の一つは、EBPM概念そのものの多義性にあります。ひとくちに“EBPM”といってもその指示内容は人や場合により大きく異なるため、そもそも「どのEBPM」にコミットするべきなのかという悩みが生じます。また、EBPMを実装していく上では、行政側や学術側における組織文化上の制約とどう向き合っていけばよいのかという悩みも生じます。さらに、EBPMにおいて重要となる因果推論手法に関する理解が(行政においても学術界においても)まだまだ浅いという悩みもあります。

本集会では、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの井上領介氏をお招きして“EBPM”自体および、ランダム化比較試験を中心に「EBPMで重要となる政策の因果効果の推定法」について解説をいただきます。井上氏らは2019年ノーベル経済学賞を受賞したデュフロとクレーマーらの因果推論に関する著書を翻訳し、受賞前のタイミングで公刊されています。

政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門

政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門

  • 作者: エステル・デュフロ,レイチェル・グレナスター,マイケル・クレーマー,小林庸平,石川貴之,井上領介,名取淳
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2019/07/25
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る

本ご講演の後、「研究者/研究所等として“EBPM”とどう関わっていけばよいのか」についてフロアを交えて話題提供・議論していく予定です。

本集会はオープンでの開催となりますので、事前登録や参加費用等なくどなたでもご参加可能です。研究所等でEBPMの導入や推進についてご検討されている方々にぜひご参加いただき、「EBPMとアカデミアのこれから」について一緒に考えていければと思います。


開催日時場所:
2019年12月10日(火)15:00 - 17:00 @国立環境研究所中会議室(アクセス会議室への順路)(*終了時間については変更の可能性あり)

プログラム:
はじめに 横尾英史(一橋大学&国立環境研究所)

講演「因果推論とEBPM:環境分野を念頭に」
講師:井上領介(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

総合討論のための話題提供1「食料・農業分野におけるEBPMの事例紹介」
佐々木宏樹(農林水産政策研究所)
総合討論のための話題提供2「EBPM、“E”から見るか?“PM”から見るか?」
林岳彦(国立環境研究所)

総合討論:研究者/研究所として“EBPM”にどう関わるとよいのか?

おわりに 日引聡(東北大学&国立環境研究所)
================================