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Take a Risk:林岳彦の研究メモ

自らの研究に関連するエトセトラについてのメモ的ブログです。主にリスク学と統計学を扱っています。

統計

確率概念について説明する(第3-2-2回):「あらゆる奇跡はありふれる」問題

こんにちは。林岳彦です。いくらあなたが槇原敬之の大ファンで、どんなときもどんなときも僕は僕らしくありたいと思っていても、浮気がばれたときに「もう恋なんてしないなんて〜 いわないよぜったい〜」と歌ったら殴られると思うからそれだけはやめた方がよ…

確率概念について説明する(第3-2-1回):「可能性」と「確率」のあいだ/ 到達可能性の線引き問題

やっと会えたね(本能寺で)。林岳彦です。さいきんルンバを買いました。ルンバが動いているのを眺めるときに、「実はどこかで山本昌がこのルンバをラジコンで操作している」のだと想像しながらその動きを眺めるととても贅沢な気分になれます。おすすめのラ…

夏の因果推論祭りのフォローアップをこんなに遅れて書くつもりじゃなかった

こんにちは。フリッパーズ・ギターの性格が悪い方こと林岳彦です。さて。私も大人でありますので本業に追われることもままあります。そして追われているうちにすっかりご無沙汰してしまいました。はてはて。去る7/11に行われた因果推論祭りについてもブログ…

識別/生成モデルの観点から見たRubin/Pearlの統計的因果推論(*既に一定の予備知識のある方向け)

こんにちは。林岳彦です。ついに夏の統計的因果推論祭りが今週の木曜(7/10)に迫ってきました!ちゃんと予定どおり開催されますので、参加申し込みをされたみなさま、台風に負けずにご来場いただければ幸いでございます。さてさて。 この祭りに備えてさいき…

【速報告知】渾身のガチ企画:『夏の統計的因果推論祭り』を開催します!(7月10日@東大本郷)*5/23登録締切りました*

(2014/5/23追記)*参加希望者が予定人数に達したため登録を締切りました!* (2014/5/23追記)*また、参加人数が予想を超えたため「14号教室」→「15号教室」に変わりました*こんにちは。林岳彦です。赤い彗星の測度は3倍です。さて。ここ数年にわたり半…

確率概念について説明する(第3-1回):可能な世界の全体を1とする — コルモゴロフによる確率の定理(前編)

こんにちは。林岳彦です。先日、小学生の息子とセブンイレブンに行きました。そこでふと、「あの外壁、あれ本物のレンガじゃなくてただの印刷だから」と息子に教えたところ、それが彼にとっては思いもよらぬことだったようで、実はすべすべとしている外壁に…

確率概念について説明する(第2回):そもそも「可能である」とはどういうことか? — 可能世界論

どもっす。林岳彦です。さいきん軽い気持ちで某国際誌の総説論文の査読を引き受けたのですが、「どんな論文だろ?」と思いつつ査読対象の原稿をいざダウンロードしてみたら本文100頁アンド全体300頁もある超長尺の総説であることに気づき、「殺す気か!」「…

忘れるということがピンとこないことについて

どもです。林岳彦です。前回の記事は深夜に書いていたのですが、投稿したときにちょうど日付けが変わって3月11日になっていて、何か書くべきかもと思ったのですがうまく考えがまとまらず、そのままになっていました。そんな折、仙台在住の友人のブログを読ん…

確率概念について説明する(第1回):説明全体の構成 --- 確率概念の「規格」と「意味」

どもです。林岳彦です。白泉社文庫の大島弓子作品から一冊選ぶなら『つるばらつるばら』だと思います*1。 さて。今回からは長期のシリーズとして、「確率概念とは何か」についてガッツリと説明していきたいと思います。今回は、その第一回目として、「本シリ…

なぜリスク分析のプロは仮説検定を使わないのか(ややマニア向け)

お久しぶりです。林岳彦です。もうすぐ『愛なき世界』の日、いわゆる(マイブラッディ)バレンタインデーですね。何かと雑音が多いこの世界ですが、いつでも自分の足元を見つめて行きましょう。 さて。 今回は、以下の: そもそもビジネスの現場ではどういう…

(後編)今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースについてまとめてみた:中間変量の影響

どもっす。林岳彦です。先日、某所で統計解析の講師役をしました。その際に解析環境の準備の手間を省こうと思って、Amazon EC2上にRStudioのサーバー版を立てて、聴講者にそこに繋いでもらって実習をしようとしたのですが、いざ皆が繋いだらサーバーがクラッ…

(中編)今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースについてまとめてみた:交絡・合流点の影響

どもです。林岳彦&オメガトライブです。きみは1005%(消費税込) さて。今回は、前回の記事:今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースをまとめてみた(前編:検定力が低い) - Take a Risk: 林岳彦の研究メモのつづきの”中編”になります。…

今回は因果関係があるのに相関関係が見られない4つのケースをまとめてみた(前編:検定力が低い)

どもお久しぶりです。林岳彦です。ローソンなどで売ってるいなばのタイカレーはそうめんのつけ汁として使ってもマジうまいのでオススメです。 さて。 今回は前々回の記事:因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプ…

"相関"の話&そのついでに"21世紀の相関(MIC)"の話(ややマニア向け)

どもです。林岳彦です。息子の3DSにバーチャルコンソールの「ソロモンの鍵」を密かに入れました(まだ3面)。 さて。前回の記事:因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプレート付き) - Take a Risk:林岳彦の研…

因果関係がないのに相関関係があらわれる4つのケースをまとめてみたよ(質問テンプレート付き)

どもっす。林岳彦です。ファミコンソフトの中で一番好きなのは『ソロモンの鍵』です*1。 さて。今回は、因果関係と相関関係について書いていきたいと思います。「因果関係と相関関係は違う」というのはみなさまご存知かと思われますが、そこをまともに論じて…

発表資料アプ:「比例ハザードモデルはとってもtricky!」

どもです。林岳彦です。ももカッパよりもアゲルちゃんのほうがいいと思います。 さて。最近、某カジュアル系勉強会で、疫学研究などで頻繁に用いられる「比例ハザードモデル」をテーマに発表をしたのでその資料を晒してみます(資料内で用いているRスクリプ…

(目次の予告)統計的因果推論ノート:「正しいセカイの切り取り方」

どもです。林岳彦です。道に倒れて誰かの名を呼び続けたことはありません。さて。 自分の頭の中でそろそろ「統計的因果推論に関するエトセトラ」が繋がってきた感がある*1ので、一度棚卸のために(クオリティは未だ低いものになるかもしれませんが)エトセト…

RStudioからknitrでレポートを自動作成してみた

こんにちは。オソブサ*1でおなじみの林です。お盆なのでBON JOVI聞いています*2。論文はまだ書けていませんけど何か。 さて。さいきんTokyo.Rの和田計也さんという方のちょう素晴らしいプレゼンファイルを拝見いたしました。そろそろRStudioの話でもしてみよ…

発表資料アプ『相関と因果について考える:統計的因果推論、その(不)可能性の中心』

オッス!オラ悟空!(嘘)さいきんナンプラーに杏ジャムを組み合わせることで、パッタイ的風味*1が出せることに気が付きました。みんなも是非やってみてくださいね。あと、さいきん研究所内のカジュアル系セミナーで「相関と因果について考える:統計的因果…

統計的因果推論(傾向スコア)の勉強会資料をアプしてみた

みなさまお久しぶりです。私はけっきょくminor revisionに三ヶ月もかかってしまい他の仕事にしわ寄せキまくってます。今回は某勉強会で傾向スコアを扱ったのでその勉強会資料をアップしてみます(環境によってはサムネ画像がでないかも)。 傾向スコア:その…

因果グラフからみる交絡問題:「遺伝統計学における因果問題の特殊性」について考えてみた

どもっす。先日のdo演算子についてのエントリーに関しては多数の方々にブクマやスターをいただき大変ありがとうございました。書いてよかったです。。。さて。その先日のエントリーに関連して、id:aggren0xさんに面白いエントリーをいただきました。遺伝統計…

確率と因果を革命的に架橋する:Judea Pearlのdo演算子

皆さまこんばんは。今回から数回のあいだは、久しぶりに統計的因果推論ネタについて書いていきたいと思います。 今回の具体的なテーマは「Judea Pearlのdo演算子」になります。マニアックです。このテーマについては自分でも完全に理解しているわけでは全く…

重回帰の変数選択についての追記:交絡調整との兼ね合い

いまフェスで鹿児島に来ています*1。先日の重回帰の記事の追記として、「相関のある変数を取り除くこと」を「交絡調整」という視点からさくっと語りなおしてみたいと思います。 (これから書くことはたぶん間違ってはないハズとは思うんですが、もし間違って…

重回帰分析における多重共線性への対処ストラテジーのメモ

良い機会なので重回帰分析についてのメモをちょっと残しておきます。今日のネタ本はこちら:Excelで学ぶ共分散構造分析とグラフィカルモデリング作者: 小島隆矢出版社/メーカー: オーム社発売日: 2003/12メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 152回この商品…

重回帰・偏相関・パス解析に関する解説記事のメモ

パトラッシュ、ぼくはもう疲れたよ...と呟きたくなる*1今日この頃ですがみなさまいかがおすごしでしょうか。(ああけっきょく食品安全委員会の件のシリーズをパブコメの〆切前に完結させることはできませんでした...orz) 今回は統計ネタのメモです。さいき…

なんだこりゃ:アニメで見る統計ディスコミュニケーション

論文は一向に書けていませんが、なんだこりゃなアニメ(英語)を見かけたのでちょっとだけご紹介: ワロタw

みなさまにご相談:この生涯当たりリスクの簡易概算法ってOKですかね?

今日はちょっと「生涯当たりリスクの簡易概算法」を思いついたのですが*1、この考え方でOKかどうかの相談も兼ねて書いてみたいと思います。 前置き:比較の際にはリスクの単位に気をつけよう! 異なる事柄のリスクの比較をするときによく間違えやすいのが、…

低頻度高被害型リスクについて考える(2/3):不確実性の問題

前回に引き続き、今回も 「10日に1度の確率で10人が死ぬ事象」と「10万日に1度の確率で10万人が死ぬ事象」は、どちらも「1人死亡/1日」という同一の表現で表すことができるけれども、それは本当に同一なリスクとみなして良いのだろうか? という問いについ…

低頻度高被害型リスクについて考える(1/3):可換性の問題

今回のシリーズではいわゆる「低頻度高被害」タイプのリスクに関して、「可換性」「不確実性」「認知的収支」という3つの視点から書いていきたいと思います。ちょっとマニアック内容になるかもしれませんが、どうかご容赦ください(すんません)。 ベースと…

共分散構造モデル一元論的な図のメモ

統計的因果推論の勉強の一環として、豊田秀樹さんら著の『原因を探る統計学』を読んでいたら共分散構造モデル一元論的な図があったのでメモしておきます。原因をさぐる統計学―共分散構造分析入門 (ブルーバックス)作者: 豊田秀樹,前田忠彦,柳井晴夫出版社/メ…

意外な展開:自然死産率の生データを見てみた

さいきんtwitter上で、「1960年代において大気圏核実験の影響で自然死産率が上昇している」という情報を見かけました(本記事の論旨の前提となりますので、ぜひ以下URLをご参照の上で以下の記事をお読みください)。http://twitpic.com/4gcyc6研究者ならば生…

「1000年に1度」の意味:頻度と確率を混同しちゃダメ!

今回の大地震を巡って、ときおり頻度と確率が混同されているように思われるので、整理のためのメモをしておきたいと思います。 「1000年に1度」=「今年1年間に大地震が起きる確率が1/1000」? 今回の大地震は869年に起きた貞観地震以来の規模ということで、…

統計的因果推論を学んでみる(0):ヨナ書の引用

これから統計的因果推論について学んでみようと思っております。統計的因果推論について考えることは「偶然と必然」の関係について考えることと重なります。 今回はその序章的メモとして、Judea Pearlの「統計的因果推論」で引用されている、ヨナ書の一節を…

確率概念の分類を描いてみた

SYNODOSのメルマガ(Vol. 70)の矢野浩一さんの記事に触発されて、今回は私の世界観における確率概念の(認知)分類を描いてみました。 主観確率・頻度主義的確率・ベイズ確率などの語句の説明はWikipediaが参考になるかと思います。客観的確率ですか? みん…

ほっほうー:「相関関数とは何か?」という記事のメモ

線形代数に関する調べものの際に見つけた記事のメモをしておきます。「相関係数とは何か?」 を体系的に理解するための6ステップ - 主に言語とシステム開発に関してそういう説明の仕方があるのかー!とかなり目からウロコでした。

いろんな解析をパス図で表した解説サイトのメモ

昨日わたしなりの統計マンダラ(大幅改訂しました)を改訂している途中で見つけたすごく勉強になったサイトをメモしておきます。中部大学小塩研究室さんのサイトにあった解説です。様々な分析をパス図で表す この図を見ていると、殆んどの線形系のモデルにつ…

半可通なりに果敢にも統計マンダラを描いてみた(20110218改訂)

今回は果敢にも半可通なりの統計マンダラを描いてみました。私は紛れもない半可通なので間違っているところが多々あると思いますが、ぜひ専門家の皆様に適宜御ツッコミいただければ幸いです(ぜひコメント欄もご利用/ご照会ください)。【20110218追記:マ…

無から有(意差)を生む:多重比較でウソをつく方法

前回の記事では多重検定がキーワードとなりましたが、良い機会なので、今回は例を交えながら多重検定がもつ問題のインパクトについて説明したいと思います。 (*「多重検定って何?」という方はこちら)結論を先に書くと、多重性を調整しない多重比較がなぜ…

「美人ほど女の子を産む」はウソ?:A. Gelmanによる統計的欠陥の指摘のメモ

少し以前から「美人ほど女の子を産む」というタイトルの記事をネットでちらほら見かけておりました。 例えばこちらなど:美人ほど女の子を出産する確率が高い | ゆかしメディア | 1個人的にはこういった進化心理学的研究への興味はもちろん大アリなのですが…

おっと危ない:信頼区間と予測区間を混同しちゃダメ

今回は仕事で解析をしていて「おっと危ない」と思ったことについて書いてみます。結論からいうと「信頼区間と予測区間を混同しないように注意しましょう!」という話です*1。 課題:BODの値からTOCの値を推定したい 最近ややあってBOD(生物化学的酸素要求量…

安藤 (2006)「構造方程式モデリングの光と影」

たまたま検索で引っかかった論文なのですが、読んでみたらちょっと興味深かったのでメモ。 - 安藤寿康 (2006)「構造モデリングの光と影」パーソナリティ研究 : Vol. 15 , No. 1 pp.120-123. http://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/15/1/15_120/_a…

ベイズ統計に反対する理由@昔の中国(A. Gelmanがソースだった件を追記)

日本に滞在経験のある中国人の大学生の方のtwitterで面白いベイズネタがあったのでメモ。Twitter / AlexWangYang: 話によると、昔の中国で「ベイズの定理」http://goo. ...事前分布の解釈には諸説ありますが、これはアクロバティックな事前分布の解釈ですね…

veganとprc():Rの群集生態学用パッケージのメモ

生態毒性学の論文で、化学物質の群集レベルへの影響を解析するときにPrincipal Response Curve (PRC)という解析法が良く使われています。いろいろ探してみたのですが、Rの群集生態学用パッケージであるveganに、PRCによる解析を行う関数(prc())があったの…

『統計的因果推論:モデル・推論・推測』を読む(その4)

前回からの続きです。いくつか抜き書きしていきます。今回は「1.4 関数因果モデル」の部分。 本書では、因果関係をLaplaceの準決定論的概念*1を用いて記述し、これを確率的概念と対比させ、因果的な実態を定義し、解析する。この概念を選択した理由は3つあ…

『統計的因果推論:モデル・推論・推測』を読む(その3)

前回からの続きです。今回は因果ベイジアン・ネットワークについての説明。 第一章 確率、グラフ、因果モデル入門 「1.3 因果ベイジアンネットワーク」 冒頭を引用します(p22)。 条件付き独立関係を記述するツールとしてDAG*1を解釈することはできるが、そ…

階層ベイズの基礎知識:hierarchicalの正しい発音

階層ベイズに関する研究をしていると、きっといつか「hierarchical」という単語を発語しなければならないときがきます。あなたは正しく発音できますでしょうか?以下のリンクで音声も聴けます。hierarchicalの意味 - 英和辞書 - goo辞書「ハイアラーキカル」…

『統計的因果推論:モデル・推論・推測』を読む(その2)

前回からの続きとなります。著者のJudea Pearlはベイジアンネットワークの創始者であり、本書もベイジアンネットワークの説明が主となるようです。ただ全体的な記述がかなり数学的なのでなかなか頭に入ってきませんが。。。 第一章 確率、グラフ、因果モデル…

『統計的因果推論:モデル・推論・推測』を読む(その1)

今回から以下の本を読んでメモを残していきたいと思います。自分の場合、厳密に言うと「ベイズ統計」自体よりも「因果推論」の方に興味があるので。統計的因果推論 -モデル・推論・推測-作者: Judea Pearl,黒木学出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2009/02/2…

フィッシャーの「統計的方法と科学的推論」の訳者解説が素晴らしすぎる(その10)

前回からの続きとなります。今回が遂に最終回です。今回はより大きな思想史の観点からの位置づけの議論となります。引用していきます(強調は引用者): これまでフィッシャー対ネイマンの論争点に則して解説してきたが、もう少し離れた点から評価すれば、フ…

フィッシャーの「統計的方法と科学的推論」の訳者解説が素晴らしすぎる(その9)

次回からの続きです。今回は、フィッシャーvsネイマンの対立を、その後の数理統計学の流れの中で議論していく部分となります*1。ちなみにこの訳書は1962年刊行ですので、その時代感覚も含めて読んでいく必要があります。引用していきます(強調は引用者): …